マイルスデイヴィス初期傑作マラソンセッション

おすすめレコード

マイルスデイヴィスの存在は衝撃的です。長年にわたる活躍、あくなきチャレンジ、人となりは様々な評論家の方が書物に残しています。
マイルスは決して自分のやってきた過去のスタイルに戻って演奏することは無かったですが、レコードとして残っていることによって新たなリスナーが過去のマイルスの名演奏を聴く事が出来ます。
今回はマイルスの初期の傑作と勝手に思っているレコードを紹介します。

THE MILES DAVIS QUINTET 「COOKIN’」「STEAMIN’」「WORKIN’」「RELAXIN’」

今まで数々の評論家の方やブロガーの方が語りつくしているマイルスのマラソンセッション。
プレステッジというjazz専門レコードレーベルからメジャーレーベルへ移籍のため、プレステッジで残った契約履行のため2日間で4枚分のレコードを録音したという通称マラソンセッション。
jazz初心者やマイルスのレコードのおすすめを聞かれたら、このマラソンセッションの4枚を推薦する人は多いでしょう。
多分に漏れず私もそうです。特にマイルスは私も大好きなミュージシャンだし、モダンジャズから晩年のファンクっぽい分野まで幅広いので、やはり最初はこのマラソンセッションを紹介しています。
メンバーはマイルスの他John Coltrane (ts)Red Garland (p)Paul Chambers (b)Philly Joe Jones (ds)の4人です。それぞれ自作のレコードを残したビッグネームばかりです。

マラソンセッションの特徴と魅力

まずこの4枚の特徴は、・緊張感たっぷりのライヴのような名演奏である ・スタンダードナンバーが多く収録されている ・マイルス得意のミュートトランペット(※1)が存分に聴ける
といったところでしょうか。2日間で録音しているのでほとんど1テイクで録ったと言われています。完璧主義者のマイルスなのでいい加減な録音が行われる訳がなくメンバーも集中し素晴らしい作品となったのだと思います。

※1トランペットの音に変化を加える道具です。 音色を変えたり音量を変えたりします。 (ランク王トランペットミュートおすすめ20選より抜粋)

STEAMIN’のこの1曲

上記でも書いたようにスタンダードナンバーが多いので皆さんご存じの曲が多いと思いますが、あえてこの1曲をご紹介します。
STEAMIN’に収録されているB面1曲目「Diane。日本盤レコード帯にはディアンヌと表記されています。ダイアンと呼ぶのかも知れません。
この演奏に関してこれ以上の表現はないというブログを見つけてしまったのでそのまま引用します。
http://modernjazznavigator.a.la9.jp/only/d2.htm

抜粋引用
「Diane」は、小品という感じの、大げさではないきれいな曲です。ここで採り上げるMiles Davisの演奏は素晴らしいものです。(途中略・・・)そういうなかで、Miles Davisのヴァージョンは、モダンジャズの基本的な演奏の代表格として、記憶に刻み込まれています。これは、こういう風にやるべき曲だ、ということです。(途中略・・・)
演奏は、ピアノがテンポ・ルバートで始めて、そのまま行くのかなと思う間もなくオン・リズムに切り替えて、直ぐに御大がミュートでテーマを提示します。この人の場合、テーマのアレンジからして気品がありますから、聞きものです。そしてアドリブですが、もう何も言うことが無い「卵の殻の上を歩く男」の本領を発揮した、気持ちのこもった展開です。音数が多からず、少なからず、丁度ピッタリの湯加減です。リズム・セクションのサポートも絶妙で、ピアノの合いの手、ベースのウォーキング、シンバル・レガート、どれをとっても痒いところに手が届くサポート振りです。次が、テナーのJohn Coltraneによるアドリブですが、つまり、これは何というか、、、挟雑物というと怒られますが、まぁ、こういうもんでしょう(^^; 次が、珠をころがすピアノです。このベースのウォーキングにキレイに乗った波乗りの妙技は、この人ならではのお家芸です。暫くシングル・トーンでやって、「ちょっと軽すぎない ?」という気が起きはじめる頃には、流れるようにブロック・コードに切り替わっています。そして締めに近付いて、手渡しとはっきり判るフレーズに持って行って、御大の後テーマ提示です。エンディングもキレイなものです。

是非聴いてみてください。
マイルスデイヴィスのレコードはこれからもご紹介していきたいと思います。

レコードはいいよ!

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