今回はエラフィッツジェラルドとルイアームストロングの豪華な二人によるレコードを紹介します。しかもこの名盤をプレス国違いの2枚で紹介します。
「ELLA and LOUIS」のレコードは1956年に録音発売され大ヒットしたものがあります。今日紹介するレコードはその延長線上にある1957年録音のものになります。
エラフィッツジェラルドとルイアームストロング
どちらも大御所ミュージシャンでウィキペディアを検索すると詳しく出てきます。録音当時まだ売り出し中で若くそしてとても可愛らしい声でJAZZを歌うエラ。そして当時スーパースターでトランペットを吹きながら濁声が売りのルイ。ルイの代表曲の一つの「What a wonderful world」がコマーシャルで今でも使われるのでご存じの方も多いでしょう。
さて声質だけで言うと対照的な二人のデユエットアルバムはどんな内容なのか。(そろぞれのパートを歌う形の曲が多いのでデユエットアルバムと言ってよいのかどうか?ですが)
素晴らしいのです。後輩でルイを尊敬していたであろうエラが、かなり控えめに合わせにいった印象だがこれがいい感じで、個性的な二人が歌う軽いJAZZスタンダードに仕上がっています。
最初にも書きましたがこの二人での録音は2回目で、より慣れてリラックスした感じが良く、私は1回目のアルバムよりもこちらの方が気に入っています。ただ1回目のアルバムレコードはプレス枚数が少ないのか、中古のオリジナルレコードは状態にもよりますが高額です。
もう一つお伝えしておかないといけないのはバックミュージシャンです。ピアノ:オスカーピーターソン ベース:レイブラウン ギター:ハーブエリス ドラム:バディリッチ。
当時のオスカーピーターソントリオにバディリッチという編成ですが、これらの名前を列挙するだけでも心が震えます。また凄いのはこれらのメンバーがバックミュージシャンに徹して決して「俺が俺が」と目立たず、フロントのエラとルイをサポートし目立たせている所です。本当に素晴らしい。
プレス国違いの2枚
今回たまたまですが同じレコードを二種類私が持っていたので、こういったレコードの楽しみ方もご紹介します。
ジャケットの写真左側の二人の横顔がアップで写っている方はアメリカで1967年に再発されたレコードになります。元々はVerveというレコード会社のはずなのですが
Metroというレコード会社から発売されているようです。
また右側ジャケットの二人が楽譜を見ている写真の方は、1989年にオランダで再発されたレコードになります。こちらはVerveから発売されています。ジャケットもレコード盤も違うので面白いですね。
もう一つ面白いのは、アメリカ盤はステレオですがオランダ盤はモノラルです。
ステレオは左右のスピーカーでから出る音のバランスを変えていて、聴いている側が両方のスピーカーから出てきた音に、奥行と広がりをを感じます。今ではステレオが当たり前です。
しかしこのレコードが録音されたときはモノラルですから、当時のままの音を聴くという楽しみがモノラルにありますし、私の感覚だと全体的に音が太くなる感じを受けます。オーディオマニアの人はモノラル聴く時は専用のレコード針に変えて聴く人もいらっしゃいます。モノラル針は高いし私自身それほどモノラルレコードを揃えていないので通常のレコード針のまま聴いていますがステレオとモノラルの違いは十分感じることができます。
人気のレコードは世界の各国で発売/再発売されていますので、それらを聴き比べするのも楽しいですよ。
この1曲
悩みましたがB面最後の「GEEBABY AIN’T I GOOD TO YOU」です。
最初にルイのトランペットがリードを取ってから、順番に二人のボーカルが入ります。
ブルージーな曲でバックミュージシャン含め完成度が高い1曲です。
もちろん全曲素晴らしいですよ。
蛇足ですが、私はエラの声が大好きです。今後他のアルバムも紹介していきます。
レコードはいいよ!