音楽の趣味は人それぞれです。また年齢を重ねて新しい音楽に興味が出てくることもあります。
「おすすめレコード」のカテゴリーでは、文字通りレコードを紹介していきますが、私がレコードで聴いて良いなと思っている物を1枚ずつ紹介していきます。
納得と思われる方も、また知らないから聴いてみようと思った方にも参考になればと思います。
第一弾は名ジャズピアニスト ビルエバンスからです。
Bill Evans 「Montreux II」紹介、魅力
今日ご紹介するのがこのレコード「Montreux II」。1970年のスイスモントルージャズフェスティバルのライブ録音です。
ピアノ:ビルエバンス、ベース:エディゴメス、ドラム:マーティモレルのトリオ演奏で、静から動、内に籠った情熱からアグレッシブな演奏が展開されてます。
私のおすすめはB面の4曲を順番に聴く事です。1曲3分から5分のライブ演奏にしては短めの演奏が続きますので飽きることなく楽しめます。
いきなりB面から聴きだして大丈夫です。
ビルエバンスの良さ
ジャズをあまり聴かない人でもビルエバンスの名前は知っている人は多いと思います。
とても美しい演奏で魅了されます。また個人的イメージですが作品を多く発表していますが駄作は少なくまた実験的で挑戦的演奏も少ないです。
安定した作品ばかりなのですが、薄っぺらで飽きてしまう演奏ではなくその時々の感情を演奏に盛り込んでいるのでどの作品も我々リスナーを楽しませてくれます。
ビルエバンスをよくご存じの皆様からは、ビルエバンスのレコード紹介するのに最初はこれじゃ無いだろうと言う声が聞こえてきそうです。
確かにその通りですが、私や私のジャズ友達の間ではビルエバンスの残した数多い作品の中で1960年代後半以降ヨーロッパでの演奏録音された物がお気に入りです。
1960年代後半ジャズの本場アメリカでは、電気楽器やロックやフリージャズの色合いが増えてきて、ビルエバンスのようなトリオを中心とした王道のジャズスタイルが受けなくなってきて多くのミュージシャンがヨーロッパに演奏の場を求めて渡欧しています。
音楽に関して耳の肥えたヨーロッパの聴衆の前で気持ちよく演奏したことにより、出来の良いアルバムが残ったのだと勝手に想像します。
是非聴いてみてください。
まめ知識
今回ご紹介したレコードは「CTI RECORDS」というレーベルから発売されています。ビルエバンスは他にジャズの名門レーベル「RIVERSIDE」「VERVE」等から数多く作品を発表しており、他にヨーロッパのレーベルからも作品を残しています。
このCTI RECORDSについてウィキペディアから引用しますが以下の特徴があります。
「題材としてクラシック曲や、同時代のソウル・ミュージックも積極的に採り入れジャズにアレンジした。その成果としてCTIはクロスオーバー(フュージョンの前身)のブームに先鞭をつけた。」
CTI RECORDS設立が1967年です。先ほども書いたようにオーソドックスなジャズのスタイルから変化を加えようとしたレーベルなのかも知れません。
このレコードでのビルエバンスの演奏スタイルに変化はありませんが、ヨーロッパでのライヴ盤ということで、当時のアメリカのジャズの雰囲気から変わった演奏レベルを感じてこの世に残したレコードなのかも知れません。(個人的感想です)
お詫び
ここまで書いてきて何なんですが、この作品は音楽配信サービスのSpotfyには今のところありません。他の音楽配信サービスを全部確認してませんが、CTI RECORDSレーベルの作品は音楽配信サービスに掲載されているものが少ないようです。
なので逆に興味を持っていただいた方は是が非でも中古レコードを探してみてください。状態にもよりますが3,000円前後で買えるはずです。
今後も色んなレコードを紹介していきます。
レコードはいいよ!